チーム医療

 2010年3月に「チーム医療の推進について」という報告書が厚生労働省から発せられました。
 この報告書でチーム医療における薬剤師の位置付けが示されました。「医療技術の進展とともに薬物療法が高度化しており、チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が薬物療法に参加することが、医療安全の確保のために有益である。…」と報告しています。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/dl/s0319-9a.pdf
 薬剤師のチーム医療参加を決定づけたのが2010年4月22日に出された「厚生労働省医政局長・通知」です。医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進についてという文書が状況を大きく変えました。 
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/05/dl/s0512-6h.pdf
 条件を満たせば薬剤師が実施できる業務が示され、続いて病棟活動に診療報酬がついたため病棟活動を開始する病院が増えました。病棟活動の準備をしてきた薬剤部長先生たちが「私たちにもできることをやらせてください」と声を上げたのです。
 医師が手術中でも薬剤師が薬剤に関して処置できるプロトコールを定めた病院もありました。
 さらに2012年4月の診療報酬改定で、病院勤務医などの負担軽減を目的に「病院薬剤師や歯科医師等を含むチーム医療の促進」が盛り込まれました。
 治療にはお薬が不可欠ですが、薬の専門家・薬剤師が病棟・臨床にいなかったのです。薬剤師が職能を発揮して患者さんの治療に貢献するなどの実績を積み重ねることで他の医療スタッフと信頼関係が醸成されました。病棟に常駐する薬剤師が定着していきました。

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